「俺、方向オンチなんだ」と人に言うと「なんで方向オンチなのに日本一周できたの?」と不思議がられることがある。
そういう時は俺はこう言う。
「方向オンチでも徒歩日本一周はできる」と。
ちなみに方向オンチの俺が徒歩日本一周した旅の記録はこちら。彩雲出版から書籍になっている。方向オンチのエピソードもしっかり収録されているのでぜひ読んで欲しい。
なぜ俺は方向オンチなのか?自分を分析してみた結果‥
おそらく俺が弟だからではないかと思っている。
うちは二人兄弟で上に姉(しっかり者)がいる。
家族で出かける時は、ただ後ろをついて歩くだけ。
兄弟で出歩く時も姉の後ろをついて歩くだけ。
帰りに道に迷わないように来た道を覚えなくてはいけないという危機感ゼロの環境で育ってきた。
つまり、俺が弟として生まれてしまったことが原因ではないかと分析している。
そんな調子で育ってしまったから、方角に対して真剣に考えたことがない。
性格的にも興味があるものはとことんハマる(飽きっぽい)が、興味がないものはとことんどうでもいいタイプだ。
だから方角とか超どうでもいいし、東西南北なんてアウトオブ眼中だった。
知らない土地で道に迷った時は、空間的に自分をとらえることができず、「たぶん、こっちだな」と直感を優先して行動してしまう癖がある(同じところをグルグルまわっているだけ)。
もちろん、メンタルがやられることもある。
ところが、なんだかんだで目的地に到着できるとホッとしたと同時にメンタルはリセットされてしまう。
次は間違えないようにしようという気もない。反省しない。タモリスタイル。
そしてまた同じ過ちを繰り返す。
俺は一生、弟として生きていくしないと思っている。
方向オンチでも徒歩日本一周できる理由
だがしかし、そんな俺でも徒歩日本一周を達成している。
経験者から言わせてもらうと、方向オンチでもさほど問題はない。
なぜかというと、日本一周のルートは人それぞれだが、基本的には海沿いを移動するパターンが主流である。
海岸線沿いを移動して日本一周するとしたら、日本列島を時計回りに移動するか、反時計回りに移動するかの2つのパターン。
俺のように東京ディズニーランドから出発して海岸線沿いを反時計回りに歩くとしたら、右側が海になる。
右手側に常に海があるという状態をキープしながら歩いていれば道に迷うことはない。
たとえ方向オンチだとしても、右と左さえ分かっていればオッケーなのである。
ちなみに幼少の頃の俺は、右と左を覚えるのに普通の子よりも時間がかかった。
なかなか覚えられない俺に母親はこう言った。
「腕にホクロがある方が右よ」と。
俺の右腕には少し大きめのホクロがある。つまり、ホクロがある方が右。ホクロがない方が左ということだった。
子供の頃の俺は、自分のほくろの位置で右と左を覚えたのである。
つまり、ホクロがある方が海である(あくまで俺の場合)。
ところが、実際に日本一周するとよく分かるのだが、日本地図上で海岸線沿いを歩いているつもりでも、実際は海が見えない道もかなり多い。
特に、山道と大都市。
山道の場合、ほぼ一本道だと思っていい。ほとんど田舎だから、たいして道は複雑ではない。
分かれ道があったとしても、徒歩の場合、車と違って移動速度は遅いので判断に余裕がある。
車の場合、運転中にカーナビを見ながら本来曲がるべき道を通り過ぎた後に「あっ、今の右だった」というのはよくある話だ。
徒歩の場合、ゆっくり移動するので道が枝分かれしていても「さて、どっちかな?」と地図を開いて考える時間は十分にある。
一方で大都市の場合は、人口が密集している為、交通量が増えるので道が複雑に枝分かれする。でも、心配はいらない。
逆にいうと、道がたくさん存在するので、仮に間違えたとしてもさまざまなルートで元の道に戻ることができる。
大都市を抜けてしまえばすぐにまた田舎になるので、また一本道が続く。
日本一周で海沿いをルートを選んで歩くのであれば、方向オンチの人間にとっては、もはや初心者コースだと思ってもらって問題ない。安心して欲しい。
方向オンチ聞け。
方向オンチの俺からこれから日本一周を考えている方向オンチの君へひとつだけ警告しておきたいことがある。
この記事を読んでいるということは、おそらく君も方向オンチなんだろう。
これから書くことは、実際に俺が日本一周中にやらかしてしまった出来事である。
先人からの教訓だと思ってしっかりと心に刻んで欲しい。
例えば、初めて来たショッピングモールでトイレに入った時によくあること。
用を済ましてトイレから出る時に「あれ?どっちだっけ?」と思いながら、来た方向と逆に歩いてしまい、「一体、ここはどこだ?」と焦る瞬間がある。
これと同じことが、なんと日本一周している時にも起きる場合がある!(強調ぎみ)
特に海が見えない道を歩いている時には注意が必要。
俺は日本一周している時、用を済ます時、コンビニのトイレを多く利用していた。野グソもしたが。
田舎道を歩いているとトイレがしばらくないことが多々あった。やっと見つけたコンビニで用を済まし、ホッと一安心。
コンビニから外へ出た時に「あれ?どっちだっけ?」と、これから歩く方向が分からなくなった。
海が見える時なら問題ないが、海も見えないし、特に目印になるような建物もなく、右も左も同じ景色であった。
方向オンチ特有の直感である「たぶん、こっちだな」で選んだ道が、本来、進むべき方向の道ではなく、今さっきまで歩いてきた道を逆走してしまったのだった。
異変に気づいたのはコンビニを出て5キロぐらい歩いた頃だろうか。
「あれ?なんかおかしくね?」と思い始めてから状況を把握するまでに数分。
正直、「やっちまった」と思った。
そこからまた5キロ歩いてコンビニまで戻る。
これがいかに無駄な行為かを説明したい。
当時、毎日、平均で40キロぐらいの道のりを歩いていた。
コンビニを出て逆走→5キロ無駄に歩く。
逆走に気づいてコンビニまで戻る→さらに5キロ無駄に歩く。
合計10キロ無駄に歩く結果となった。
つまり、今日一日、出発地点から目的地点まで40キロ歩く予定が、なぜか50キロ歩くという結末を迎えた。
地図上で進んだ距離は40キロ。なのに俺が歩いたのは50キロ。
本当にこれは割に合わない。
方向オンチの人で、これから日本一周を考えている人には、正直いって俺みたいなしくじりをしてほしくない。
だから方向オンチ聞け!
逆走しないように注意しろ!俺みたいになるな!
これだけは声を大にして伝えたい。本当に無駄だから気をつけよう。
結論:方向オンチでも徒歩日本一周できます。※たまに逆走することがあります。

大場祐輔 1981年生まれ。 大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。
2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロ以上の距離を歩き続ける。
旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをしながら食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 数々の出版社に原稿を持ち込みを開始し、断られまくる。
が、それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」を出版。
「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」
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