僕は、数あるヤンキー漫画の中でも『今日から俺は』が一番好きです。
卑怯者の三橋と根性者の伊藤。
この二人の絶妙なコンビのバランスが織りなす喧嘩シーンも大変魅力的ですが、紅高の今井と谷川コンビのまぬけっぷりも最高に面白く、特に今井のオチでは腹を抱えて笑えるシーンがたくさんありました。
最近、実写版のドラマの放送や映画の放映もありました。
僕はリアルタイムで漫画を読んでいた世代です。
単行本23巻の「三橋の将来…?編』で、学校で進路希望調査書を書かされます。
当時、同じように進路に悩んでいた僕は「三橋と伊藤は将来どうするんだろう?」という素朴な疑問を持っていました。
三橋と伊藤が進路希望調査に書いた内容がこちらです。
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三橋 | 伊藤 |
第一希望 | 国王 | 宇宙飛行士 |
第二希望 | 帝王 | F1パイロット |
第三希望 | 石油王 | 冒険野郎 |
らしいといえば、らしいですが。子供みたいな夢だったので、あまり参考になリませんでした(笑)。
おそらくこの二人は、キャラクター的に考えても進学や就職はしないんだろうなと思いました。
単行本38巻の最終回「あした編」では、軟葉高校を卒業後、原チャリに乗った三橋と伊藤が、北海道を目指して旅立ちます。
伊藤が京ちゃんに「向こうで仕事見つけたら連絡するよ」みたいなことを言っていたので、おそらく北海道で住み込みのアルバイトなどを探すのでしょう。
三橋の旅の目的は、将来、地球温暖化によって、みんな住む場所がなくなり、北海道にしか住めなくなるから、今のうちに土地を安く買い叩いて、あとで高く売りさばいて金持ちになろうという考えです(笑)。
この三橋らしい発想に「面白そう」という理由で一緒に着いていく伊藤。
後から今井と谷川も原チャリで通過する姿も面白いです。
そして夏になり、少し髪の伸びた理子が、窓の外を見ながら「明日は会えるね」と言って振り返り、卒業式後に撮った集合写真を眺めたところで物語の幕が閉じます。
卒業式が3月で夏の8月に戻ってくるということを考えると、旅の期間はおよそ半年間。
この半年の間で、目的を果たせたのか、それとも北海道の生活が落ち着いて一時的な帰郷だったのか、もしくは金がなくなって帰ってきたのか、真相は分かりません。
当時、僕はこの最終回を読んで、三橋と伊藤の卒業後の進路はアリだなと思ったのです。
卒業後、ひとつの場所に一生を骨を埋めて過ごさなくても、いろいろな場所でたくさんの経験をすることも大切かもしれないなと感じました。
僕が大学卒業後に徒歩日本一周の旅に出たのも『今日から俺は』の影響があったのかもしれません。
ちなみに僕は、中野が好きです
大場祐輔 1981年埼玉県生まれ。 大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。
2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。
旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをしながら食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 出版社に原稿の持ち込みを開始。
それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」を出版。
「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦