「自分の限界に挑戦したい」
そんな気持ちで徒歩日本一周の旅に出ました。
真夏の炎天下で、いつ倒れてもおかしくないぐらいの体調でフラフラになりながら歩いていたことがあります。
その経験のせいか、暑さにはだいぶ強くなってしまい、旅が終わってから10年以上、真夏でもエアコンを使わずに過ごせるぐらいになりました。
ただ、あることをキッカケに「来年からはエアコンを使おう」と決めました。
エアコンを使わなかったせいで、汗をかきすぎて、体中が汗疹だらけになってしまったからです。
これがもう、痒くて痒くて痒くて痒くて痒くて痒くて(泣)。
エアコンを使わなくても真夏の暑さには耐えられますが、汗疹の痒さには耐えられませんでした(笑)。
精神的には耐えられているつもりが、肉体が限界を超えてしまってることってあるんだなと思いました。
徒歩で日本一周していた時、真夏の炎天下で、フラフラになりながら歩いていたけれど、あれも実はヤバかったんじゃないかと考えるようになりました。
昔、車の免許を取るために教習所に通っていた時、「事故が起きた時に、たまたま運が悪かったのではなく、今まで事故を起こさなかったこと自体がラッキーだっただけ」と教わったことを思い出しました。
徒歩日本一周中に大きな怪我や病気にならず、事故にも巻き込まれる事もなく、無事に帰ってこれたのは、単純にラッキーが続いていただけだったかもしれません。
真夏の炎天下でフラフラになりながら歩いたり、熊に出会ったり、トンネルの中で何度も車にはねられそうになったり、暴走族みたいな連中の溜まり場だと知らずに野宿してしまったり、台風が直撃している場所を暴風域の中、歩いたり…。
今さらですが、一歩間違えたらヤバかったなーと思うことがたくさんありました。
だからこそ、今、日本一周している人、もしくはこれから日本一周している人に経験者の僕から伝えたいことがあります。
自分の限界に挑戦してはいけない。
旅をしていれば、何かしらのトラブルに巻き込まれることがあります。未然に防ぐ方法があるとすれば、無理はしないことです。
僕の経験上ですが、無理をすればするほど、判断力が落ちます。その結果として、不運を引き寄せるキッカケを作ることがあります。
日本一周は誰かと競うものではなく、自分のペースでやるべきことなので、自分の体調と相談しながら、自分の限界を超えない範囲内で安全に旅をすることをおすすめします。
大場祐輔 1981年埼玉県生まれ。 大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。
2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。
旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをしながら食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 出版社に原稿の持ち込みを開始。
それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」を出版。
「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」