日本一周を定義するのは完全に無理ゲーです

日本一周を定義するのは残念がら無理ゲーです 日本一周

日本一周の旅で、こんな議論があると思います。

「どこからどこまでが日本一周か?」

「それは日本一周したとはいえない」など。

僕、大場祐輔は、東京ディズニーランドから721日かけて歩いて日本を一周した経験があります。著書はこちら→『信じた道がいつか本当の道になるようにーガチで徒歩日本一周721日の旅ー』彩雲出版 

日本一周の定義、解釈は人それぞれです。

旅をする本人が、自分の意志で決めるべきだと思います。

なぜならば、日本一周したことがある人たちも含めて国民全員が完全に納得できるかたちで定義をすることは不可能だからです。

日本一周を定義するのは無理ゲーである理由を書いていきます。

日本一周はツッコミどころが満載

日本一周はツッコミどころが満載

日本一周のやり方は、旅をする人の数だけたくさんありますが、その中からざっくり二つに絞ってみました。

日本の外周(海岸線沿い)を一筆書きで一周する。

日本の47都道府県をすべて踏破する。

当然ですが、上記以外のやり方もあります。今回は、長文になることを避けるためにこの二つのパターンで考えていきます。

日本の外周(海岸線沿い)を一筆書きで一周する場合

このやり方で僕は歩いて日本を一周しました。おそらくこのパターンが一番多いのではないでしょうか。

内陸の県は行ってないじゃん」とツッコまれたことがあります。

海に面していない栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県、奈良県の8県は日本一周から外れることになります。

日本の47都道府県をすべてまわってこそ日本一周と定義する人もいます。

日本の47都道府県をすべて踏破する場合

すべての都道府県を踏破することが目的であれば海岸線沿いにこだわる必要はないと思います。

例えば、最短の移動距離と滞在時間で日本一周するとしたら、青森からフェリーを使って北海道をタッチしたら、またすぐに北海道からフェリーを使って青森まで戻ることになります。

「北海道の外周は一周してないじゃん」というツッコミがあるかもしれません。

つまり、ミックスルール化されたツッコミが存在するということです。

「どこからどこまでが日本一周か」という定義は人それぞれです。

極論を言えば、その人の日本一周の目的に関わらず、行っていない場所が少しでもあれば確実にツッコまれるということです。よくあるパターンでは離島がその類になります

ミックスルールで考えてみる

日本の外周(海岸線沿い)を一筆書きで一周しつつ、内陸の県もすべてまわる場合、今度はミックスルールで考えてみましょう。

海岸線沿いを移動中に途中で内陸の県に入ることになると思います。

目的の内陸の県をまわった後、内陸に入った際の元の位置(海岸線)まで戻ってから進むのか、それとも内陸からショートカットして最短の距離で海岸線まで出るかという問題が出てきます。

ショートカットした場合、「日本の外周(海岸線沿い)を一筆書きで一周する」から少しハズれます。

また、日本一周で議論されるポイントとして海岸線沿いをどこまで攻めたか?問題があります。僕の経験上、これが一番苦労しました。

海岸線沿いをギリギリまで攻めて移動していない場合「それは日本一周したうちに入らない」というツッコミをする人もいます

海岸線沿いをどこまで攻めるか?

海岸線沿いをどこまで攻めるか

一筆書きで日本一周していると分かりますが、常に海岸線を移動しているかといえば、実際はそうでもありません。

例えば、海沿いに道がない場合、峠を超えていく場合もあります。

さすがにロッククライミングしながら海沿いをギリギリ攻める人はいないと思います(笑)。

海沿いをギリギリ攻めるといっても、あくまで「海に近い道」を選択して進んでいくことになります。

この「海に近い道」にもたくさんの種類があります。

海岸線沿いに国道などの主要道路があれば、ルート選びは簡単ですが、場合によっては、やや内陸に入ってしまうことがあります。

なるべく海沿いを攻めようとすると、複雑な生活道路や舗装されていない農道や地図にも載っていないような道(私道など)がたくさん出てきます。

日本地図の全体図を見ると、海岸線沿いのルートは真っ直ぐな一本道に見えると思いますが、これは縮小されているからであって、実際はかなり複雑な地形をしています。

それこそ半島とも岬ともいえないような地形、簡単にいうと、海に向かって小さくポコっと出てる土地が海岸には無数にあります(私有地も含む)。

海岸までは行けたとしても、先が行き止まりで回る道がないときもあります。

当日の状況によっては工事や事故で通行止めになっている道路や季節によっては冬季閉鎖している道路もあります。

また、日本一周の移動手段によって、海沿いの攻め方も変わります。道路によっては自動車専用道路といって、徒歩、自転車は通れない場所もあります。

海に近い道にこだわるほど、ルート選びは複雑化していきます。

つまり、「ここは行く」「ここは行かない」の判断を常に自分で選択しながら進んでいくことになります。

仮に10人が日本一周したとしても、10人ともまったく同じルートになることは100%ありえません。

「海岸線をどこまで攻めるか?」は、実際に日本一周する人がそれぞれ判断することになります。

日本一周したことを裏付ける証拠は必要なのか?

日本一周したことを裏付ける証拠は必要なのか?

日本一周で各地を訪れた証拠として、観光地での写真撮影、東西南北の最端の証明書や観光名所のスタンプラリー、もしくは、日本各地で利用したコンビニのレシートを集めてとっておくなど手段はたくさんあると思います。

でも、これってキリがないと思いませんか?(笑)。

僕の場合は歩いて日本一周だったので「そもそも本当に歩いたのか?」という疑惑がついてまわります(笑)。

例えばの話ですが、僕が出版した本が100万部のベストセラーになったとして、空前の徒歩日本一周ブームのパイオニア的な存在としてメディアで取り上げられたとします万が一、いや億が一の話 笑

どこかの週刊誌に本当は歩いていなかった!ガセネタの記事を書かれた時に「記者会見で弁明しろ」と言われても、裏付けできる証拠を出すことは非常に難しいです。

せいぜい、旅をしていた当時に書いていた日記と自分が歩いたルートをマーキングした地図ぐらいしか出せません。これが本当に歩いた証拠になるのかといったら、おそらく無理でしょう。

仮に当時の僕をよく知る友人に証言してもらったとします。

「彼は本当に歩いて日本一周しています。なぜならば、その時、彼は『歩いて日本一周している』と自分で言っていたからです」←たぶんこうなります(笑)。

これでは、裏付けできる証拠にはなりません。
はっきり言って
ハメられたら最後です(笑)。

日本一周で裏付けできる証拠を残すとしたら、動画でリアルタイムで撮影して配信し続けるしかないと思います。

そんなことをやっていたら、ものすごい時間のロスになるし、揚げ足のとられ方によっては、いつまでも認められず、弁明し続けることになります。

結局、裏付ける証拠を残すといっても、キリがないと思います。

日本一周で日本をどこまで知ることができたか?

日本一周で日本をどこまで知ることができたか

日本一周中に新潟で4ヶ月間住み込みでアルバイトをしたことがあります。

普通に旅をしていれば、その土地をただ通り過ぎていくだけですが、地元の人たちと一緒に過ごしたことで、新潟を知ることができたと思いました。

新潟のすべてを知ることができたか?」と問われれば、実際は知った気になれた程度だったと思います。

新潟県民全員と出会ったわけでもないし、新潟のすべての土地に住んだわけでもありません。1年を通して季節の移り変わりを体験したわけでもないし、すべての地元のイベントに参加したわけでもありません。

例えば、日本一周を達成した人に「どこまで日本を知ることができたか?」を確認するために「日本一周検定試験」というものがあったとしましょう。

僕なんか頭悪いから、たぶん不合格ですよ(笑)

自分が旅をしてきた地名をどこまで覚えているかといったら、ぶっちゃけ、そこまで覚えていないのが現状です。

なんで日本一周したのに覚えてないの?」と思われるかもれませんが、人間の脳みそというのは容量に限界があるため、新しい情報が入るたびに古い情報は忘れていくようにできているのです(笑)

仮に「日本一周検定試験」に落ちたら日本一周したと認められないのであれば「じゃあもういいよいう話になります(笑)。

最後に「日本一周とは何か?」

最後に「日本一周とは?」

上の図は僕の本の中のページです。

写真で撮ったので少し見づらいですが、赤い点線が僕が実際に歩いた日本一周のルートになります。東京ディズニーランドから反時計回りに歩きました。

九州の熊本県牛深市から鹿児島県長島町まではフェリーを使いました。沖縄本島以外、離島には行っていません。

僕の場合、歩いて旅をしていたので、面積の小さい島に行っても、それほど歩ける距離があるわけでもなく、フェリーで行って「はい、着きました」となるだけなので、離島は割り切りました。

図の左上に「徒歩日本一周踏破ルート」と書いてあります。

あえて「徒歩日本一周制覇ルート」とは書きませんでした。

なるべく海岸線沿いを選んで歩いてきたつもりではありますが、自分の判断でルートを選択してきたので「制覇」と書いてしまうことに少し違和感がありました。

日本一周の定義と解釈は人それぞれなので、「制覇」と言い切ってしまえば、かっこいいと思いますが、実際に旅をしてきた経験からいくと「制覇」ではなく「踏破」の方が個人的にはリアルというか、しっくりくるという感じですね。

僕の本を読んだ人の中には「それは日本一周したうちに入らない」と指摘する方もいると思います。

その中には日本一周の経験のない人も当然いるでしょう。

揚げ足をとられているような気になる時もありますが、それを言っている本人たちに悪意がないことは理解しています。

なぜならば、日本一周の経験がない人の頭の中にもそれぞれ「日本一周の定義」が存在しているからです。

日本一周の定義と解釈は人それぞれです。

自分が考える日本一周でいいと僕は思っています。

「日本一周とは何か?

ただの名前です

本来、存在しないはずの日本一周のルールに縛られて旅をしていませんか?

ぶっちゃけ、僕がそうでした(笑)

記録よりも記憶に残る旅をおすすめします。

徒歩日本一周で辛かったこと【超厳選したBEST3を発表します】
「徒歩日本一周で、何が一番辛かった?」と聞かれることがよくあります。そんな時はこう答えるようにしています。「全部(笑)」旅をしていて辛かったことはたくさんありますが、その中でも厳選してベスト3にまとめました。
この記事を書いた人


大場祐輔  1981年埼玉県生まれ。

大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。

2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。

旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをして食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。

同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 出版社に原稿の持ち込みを開始。

それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」←クリックするとAmazonに飛びます。

「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」

 

 

タイトルとURLをコピーしました