日本一周中にお金がなくなったら短期のリゾートバイトがおすすめです。
僕、大場祐輔は、東京ディズニーランドから721日かけて歩いて日本を一周した経験があります。著書はこちら→「信じた道がいつか本当の道になるようにーガチで徒歩日本一周721日の旅ー」彩雲出版
僕は旅の途中で、北海道、新潟、岐阜の3ヶ所でリゾートバイトをしました。
「バイト先まで歩いて行ったの?」
と聞かれることがありますが、実際はこんな感じです。
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バイトが決まったら、電車でバイト先まで移動。
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バイトの期間が終わったら、電車で元の位置まで戻り、歩き旅を再開する。
これを3回繰り返しました。
理想はバイト先まで歩いて行ければベストでしたが、バイト先に履歴書を送って「じゃあ明日から来て」と言われた時に「今から歩いて向かいますので、2週間後にお会いしましょう」という訳にはいきませんでした(笑)。
僕の場合は、面接なしで履歴書のみで採用が決まる職場が多かったので、決められた日に現地に行けなければ、その場で不採用にされる可能性もあったので、バイト先までは割り切って電車を使いました。
この辺の線引きは旅をする人のスタイルや考え方にもよると思います。
特に歩いて旅をしていると、意地でも電車には乗りたくないという気持ちがありましたが(笑)。
僕の中で最低限のルールとして「日本一周のルートは基本的に歩きで移動する(寝床探しも含め)。旅の途中で何かを理由にして家には帰らない」と決めて旅をしていました。
自分の中のNG行為として「歩いて行ける先にバイトが見つからなかったら挫折しました」という言い訳はしたくなかったので、バイト先までの移動に関しては電車を使用し、バイト期間が終わったら、元の位置まで電車で戻って旅を再開するというスタンスを取ることで、歩き旅とバイトの折り合いをつけていました。
この記事では、僕が徒歩で日本一周中にリゾートバイトで働いた時のことを書きたいと思います。
日本一周しながらリゾートバイトを考えている人にとって、僕の実体験が少しでも参考になれば嬉しいです。
リゾートバイトの魅力
旅をしながらアルバイトをするとしたら、住み込みで働ける場所がベストです。
短期で働けるリゾート地のアルバイトは、なおさらおすすめです。
特に飲食店系は、まかないも出るので食事も無料です。毎日美味しいものが食べれるので太ります(笑)。
場所によっては、山奥で隔離された場所でひたすら働くことになるので、お金を使う心配もありません(笑)。
短期バイトといえど、住み込みで他のバイトの人たちと一緒に生活をすることになるので家族のように仲良くなれます。
特に「歩いて日本一周している」という肩書きだけで色々な人に話しかけられます(笑)。
毎晩、バイト仲間とお酒を飲み交わしていると、生い立ちから現在に至るまでの話に広がってくるので、昔からの知り合いに近いような存在になってくることもあります。
一緒に働いていて、仕事に対する不満を愚痴ったりすることもできます(笑)
まさに「同じ釜の飯を食う」感覚に近いです。
旅が終わった後もバイト仲間とは連絡を取り合って一緒に遊んだり、結婚式に呼ばれたこともありました。
今振り返ると、お金も貯まるし、友達もできるし、その土地にも詳しくなるのでいい事尽くしだったと思います。
バイト探しで注意すること
日本一周中にどうやってバイトを見つけるか?についてですが、一番、手っ取り早いのは、ネットか雑誌で求人を探すことだと思います。
僕が日本一周中に最初にアルバイトをしたところが、北海道でした。
時期的には8月初旬。求人雑誌を見ると短期のリゾートバイトの募集がたくさんありました。
「なんだ余裕そうだな」と思っていざ電話してみると、求人はあるのに募集が締め切られているところばかりでした。
採用側はなるべく早めに人員を確保したいと思っているので、かなり前から募集をかけています。つまり、僕が電話した頃には既に定員に達しているところがほとんどだったというわけです。そのため、電話するたびに断られまくりました(笑)。
日本一周しながらリゾート地で短期アルバイトをするとしたら、シーズン前のタイミングで早めに応募する必要があります。
僕の場合は、募集に間に合うところがなんとかギリギリ見つかって、履歴書を速達で送って、なんとか滑り込みセーフで採用してもらいました。
リゾート地の短期アルバイトは、1ヶ月〜3ヶ月ぐらいが一般的だと思います。
特にシーズン期間中はめちゃくちゃ忙しいです。逆にシーズンが終わると、めちゃくちゃ暇になります。
仮に契約期間が3ヶ月だとして、毎月一定額の給料が入るかといえば、そうでもないです。忙しさのピークが終われば、出勤日もどんどん減っていきます。
そのあたりも把握しておかないと、予定していた旅費が稼げなくなるので注意が必要です。
また、誰にでも簡単にできる仕事が多いですが、集団生活ですので、気合を入れてマジメに働いて、経営側からも認められる存在にならないと居づらくなります(笑)。
僕が徒歩日本一周中にしたリゾートバイト歴
北海道(期間2ヶ月半)8月〜10月半まで 仕事内容:リゾート地内のレストランの厨房
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数日後、採用の電話があり、札幌駅から電車でバイト先まで移動。
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バイト期間終了後、札幌駅まで電車で戻り、歩き旅を再開。
学生時代に居酒屋でバイトしていた経験があったので、仕事は覚えればすぐにできました。社員もバイトも同世代が多く、特に大学生が多かったです。
北海道が地元の人もいましたが、全国各地から来ている人たちも多く、自分も含めてかなり個性的なメンツだったと思います(笑)。
短い期間でしたが、バイトが休みの日にたくさんの観光地に連れて行ってもらえたおかげで、北海道をより堪能できました。
ここで働くまでは、東京ディズニーランドから死に物狂いで歩いて旅をしてきたので、毎日必死でした。それだけに旅を楽しむという気持ちが欠けていたので、ここで出会えた人たちのおかげで、旅を楽しむことの大切さを教えてもらった気がします。
新潟(期間4ヶ月)12月中旬〜4月初旬まで 仕事内容:スキー場内のホテルにある和食レストランで接客(2店舗)
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翌日、新潟駅から電車で指定された面接場所まで移動。採用。
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リゾートバイトの期間が12月中旬から。それまで過ごすお金がなかったので、同系列のホテルで3食寝床付きを条件に一週間タダ働き。
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12月中旬からスキー場へ従業員と車で移動。
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バイト期間終了後、従業員に新潟駅まで車で送ってもらい歩き旅を再開。
生まれて初めての接客業だったのでミスが多く、たくさんの人に迷惑をかけてしまったのと同時にたくさんの人に勇気づけられました(笑)。
他のバイトの人たちは地元採用だったので、新潟の人たちとの集団生活でした。
仕事は大変だったけれど、同世代で話の合う人も多かったし、何より年配の方々にものすごく可愛がってもらえたので楽しかったです。
職場の目の前がスキー場だったので、毎日スノーボードをできる環境でしたが、いつでもできると思うと案外やらないもので、バイトをしていた4ヶ月の間に2回だけ滑って終わりました(笑)。
岐阜(期間4ヶ月)10月末〜2月末まで 仕事内容:温泉旅館内での裏方業務
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採用後、長浦駅から新岐阜駅まで電車で移動。そこからバスでバイト先まで移動。
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バイト終了後、バスで新岐阜駅まで移動。電車で長浦駅まで戻った後、歩き旅を再開。
温泉旅館の仕事内容は、ベッドメイキング、客室清掃、庭の手入れ、風呂掃除等をやりました。
山奥で雪が積もる地域だったので、朝5時から雪かきをしたり、仲居さんや板前さんの手伝いもしていたので、仕事内容は幅広かったです。
世代の近い人がほとんどいなかったので、どちらかというと自分の親ぐらいの世代の方が多かったかと思います。
職場が山奥だったので、一番近いコンビニまで2時間に1本のバスを使って2時間かかりました。なので、コンビニを往復するだけで丸一日かかります(笑)
都会に住んでいる人で「スローライフ」に憧れる人がいますが、実際、生活してみると何をするにも手間がかかるし、それなりにハードでした。
都会にいると、人ゴミが鬱陶しくなって、人の少ない田舎に行きたくなる時がありますが、田舎の山奥で何ヶ月も隔離されていると、急激に都会のギラギラしたネオンが恋しくなる時がありました(笑)。
北海道や新潟のバイトと比べて、朝から晩まで休憩時間もほとんどなく、働きっぱなしでした。仕事内容もきつかったので、入ってもすぐに辞めていく人も多かったです。
ちなみにバイトしていた4ヶ月間は旅館の温泉を使っていたので、お肌はつるつるでした(笑)。
「旅をする」ことよりも「住む」ことのすすめ
旅が終わった後、本を出版するために一番最初に作った原稿は、バイトの話7割、旅の話3割の構成になってしまいました(笑)。
このままでは日本一周の本じゃなくてバイトの本になってしまうということで、バイトの話は大幅にカットして出版しました。
バイトの話だけで一冊本を書けてしまうぐらい、リゾートバイトで働いた時の思い出が濃いということです。
旅をしていて人と出会うことがありますが、基本的には、一期一会です。
同じ人と何ヶ月も一緒に過ごす機会はほとんどありません。
普通に旅をしていると、人も景色もただ通り過ぎていくだけのことが多いです。
本音を言えば、内容としては広く浅くという感じがします。
一定期間、同じ場所に住み続けると、狭く深く色々な人やその土地に関われるので、旅の中でもかなり濃い時間を得られたような気がします。
実際、「旅をする」ことよりも、「住む」ことで得られることの方が大きいのではないでしょうか。
日本という国を知りたければ、「日本一周」という形にとらわれず、全国各地の色々な土地に住んでみることをおすすめします。
大場祐輔 1981年埼玉県生まれ。
大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。
2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。
旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをして食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。
同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 出版社に原稿の持ち込みを開始。
それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」←クリックするとAmazonに飛びます。
「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」