最強のミニマリストとは旅人のことである

最強のミニマリストは旅人である 徒歩日本一周

自分にとって最小限の物だけで暮らす。

つまり「持たない暮らし」。

それは完全に旅人のことである。

なぜなら旅人は最強のミニマリストだから。

僕、大場祐輔は、東京ディズニーランドから721日かけて歩いて日本を一周した経験があります。著書はこちら「信じた道がいつか本当の道になるようにーガチで徒歩日本一周721日の旅ー」彩雲出版 

 

 
 

歩いて旅をするということは、自分ですべての荷物を持って移動するということです。

僕が旅をしていた期間は721日。バックパックひとつで生活をしていました。

人はその気になれば、バックパックひとつでも生活することができます。

旅人は最強のミニマリストである。

今回は、そんな自分の経験をお話したいと思います。

「大は小を兼ねる」という考え方は捨てる

大は小を兼ねるという考え方は捨てる

僕が旅に出た当時、今よりもネットに情報が少ない時代でした。

特に自分の場合、徒歩日本一周だったのでお手本になる人はほとんどいませんでした。

生まれて初めての一人旅が日本一周。

アウトドアの経験もほとんどなかったので、ノースフェイスの90ℓのバックパックに思いつくものをすべて詰め込みました。

実際に旅に出てみると、荷物が重すぎて長距離を歩けないことに気がつきました。

それどころか出発早々に足を痛めてしまい、1キロ歩くことさえもきつい状態になってしまいました。

旅に出る前、自分なりに必要な物をよく考えて購入したつもりでしたが、結局、出発して一週間足らずでバックパックの中身の半分以上を実家に送り返すことになりました。

出発前に購入したもので、旅が終わるまで使い続けた物。

 

何もありません(笑)。

 

出発前に買ったものは、ほとんど実家に送り返し、いらないものはその場で処分しました。本当に必要だと思うものは旅の途中で小さくて軽いものに買い替えました。

反省を通り越して、自分にとっては黒歴史みたいなものです(笑)。

無駄に購入した装備の費用を旅費にまわせば、もっと早くゴールできたと今でも思っています。

もし、今の自分が旅に出る前の自分にアドバイスできるとしたら、こんなふうに言います。


「大は小を兼ねる」という考え方は捨てる。

「あったら便利かも」と思うものは基本的にいらない。

極論になってしまいますが、手ぶらでスタートして自分にとって本当に必要だと思う物があれば、購入するぐらいの気持ちでいいのかなと思います。

「1グラムでも軽く1ミリでも小さく」を極める

1グラムでも軽く1ミリでも小さくを極める

荷物の半分以上を実家に送り返したことで「だいぶ軽くなった」と思ったのですが、快適だと感じたのは、最初だけでした。

結局、毎日荷物を背負って歩いているから「まだ重いな」と思ってしまい「もっと軽くならないか」と考えてしまうんですね。

そこで手放したものがキャンプの自炊用具一式でした。

自炊用にガスバーナー、鍋、箸、スプーン、調味料だけでもかなり荷物になってしまうし、食料を持ってしまうとさらに荷物が増えます。

毎日40キロ以上歩いていると、体力的にも自炊する余裕がありませんでした。そもそもあまり料理できる方ではないので(笑)。

コンビニやスーパーがあれば、そこから弁当でも買って食べればいいし、食料を買える場所がなければ、食パンを常にバックパックに入れておけばいいかなと思いました。

自炊用具一式を実家に送り返して「だいぶ軽くなった」と感じましたが、しばらく歩いていて、ふと思います。

「まだ重いな」と(笑)。

自分の中では最低限の装備にしぼったつもりだったので、これ以上荷物を減らすことはできませんでした。

その後、僕がとった行動というのが、今自分が持っている荷物をさらに軽量化するということでした。

「1グラムでも軽く、1ミリでも小さくする」ということです。

具体例でいうと、地図は必要なページだけちぎって残りはすべて捨てるというレベル。

「そこまでする必要ある?」と問われたら、「ある」と答えます(笑)。

旅の途中で、住み込みのアルバイトをしていた時の話です。

バイト期間が終わりに近づき、再出発に備えてバックパックの中身を1グラムでも軽く1ミリでも小さくしようと荷物の軽量化をしていました。

それこそ、時にはちぎったりしながら、いらないものを次々とポリ袋に入れていました。

その時、バイト仲間に「荷物を軽くしたいのは分かるけど、そこまでする必要ある?」と呆れられたことがあります。

作業が終わった後にポリ袋をその友達に持たしたら、びっくりされました。なぜなら結構な量と重さになっていたからです。

「塵も積もれば山となる」と言いますが、本当にその通りで無駄に100gの物を10個持ったら1キロ重くなります。

歩いて旅をするということは、すべての荷物を自分で運ばなくてはいけません。1グラムでも軽くするためにやれることはすべてやりました。

あまりにも極めすぎて、自分でもちょっと病的かなと思ったこともあります。

例えば、100円ショップで石鹸を買って、店を出た瞬間に石鹸を半分にかち割って、半分ゴミ箱にぶち込むっていう(笑)。

この病的な思考や行動は、旅が終わるまで続きました(笑)。

旅が終わった後に自分の部屋を見て「無駄なものが多い」と思った

旅が終わった後に自分の部屋を見て「無駄なものが多い」と思った

旅が終わって実家に帰った時のこと。

自分の部屋を見て「なんて無駄なものが多いのだろう?」と思いました。

旅をしていた約2年間、バックパックひとつで生活をしてきた自分からすると、そう思ってしまうのも無理はありません。

しかも、旅をしている時にいらない荷物を実家に送ったものが大量にありました(笑)。

旅で履いていた靴を記念に取っておこうと思い、靴を履き替えるたびに実家に送っていました。

他にも「記念にとっておこう」シリーズはたくさんあり、宅急便代だけでもいくらかかったんだろうと思う量でした。

そんな「旅の思い出」の品々を躊躇なく全部捨てました(笑)。

「1gでも軽く1ミリでも小さく」を極めていた自分からすると、全部いらないんですよね。

「部屋が重くなる」みたいな(笑)

その後、クローゼットの中から断捨離を始めました。

旅に出る前は学生だったので、洋服をたくさん買っていました。将来は洋服部屋が欲しいと思っていたぐらいでしたが、旅が終わった後は「着る服だけあればいい」という考えに変わりました。

例えば、毎日ジーンズを履いて過ごすとして、リーバイのス501だけあればいいのかなと思い買ってみたものの、ストレッチ素材のものが出たり、テーパードが出たり、古着加工が出たりと、時代に合わせて形や素材が変化もしていくので、どうしても新しいものに目移りしてしまいます。「こっちの方がいいかも」と思うと、結局、終わりがない。

新しいものを買っては古いものを手放してを繰り返し、一度、手放したものをもう一度買い直すという無駄なこともやりました(笑)。

ミニマリストを追求して無駄にお金や時間を使っている時点で、ミニマリストではないのかなと思いました。

僕の友達で服にまったく興味がなくて、中学の時に買ったジーンズを大人になった今でも穿いてるぐらいの人なんですが、興味がないから服を買わないし、悩むこともないんですね。

その友達を見て、興味がないことや物に依存していないことが、ミニマリストに一番近いのではないかと思いました。

最後に(日常生活でもミニマリストになったのか?)

旅が終わってだいぶ経ちますが、今の自分がミニマリストかというと、普通の人に比べたら、物を持たない方かなというレベルです。

不要なのに捨てていないものも多少はありますし、かと言って無理に断捨離しようとも思いません。タイミングがきたらその時に捨てればいいかなと思っています。

ネットで「自称ミニマリスト」という人を見かけますが、さすがにそこまでやろうとは思いません。

旅をしていた時、「1グラムより軽く1ミリでも小さく」を意識して荷物を軽量化していました。

それは「徒歩日本一周」を達成する目的があったからです。

普段の日常生活で、石鹸をかち割る必要はないと思っています(笑)。

捨てる捨てないは別にして、自分にとって何が必要で何が不要かの見極めはついているつもりです。

仮に、今自分が持っているものすべてを失ったとしましょう。

それでも生きていく自信はあります。

なぜなら、旅をしていた経験があるから。

もし何かあったとしても「旅をしていた時に戻ればいい」という思えるからこそ、すべてをリセットしてもやっていける覚悟があります。

だからもう、ミニマリストを目指す必要はないかなと思います。

個人的には、究極のミニマリストとは石鹸をかち割るぐらいのレベルだと思ってますから(笑)。

【神回】「日本一周あるある」早く言いたい
日本一周の「あるある」早く言いたい。日本一周の「あるある」早く言いたい日本一周を経験したからこそ共感できる「あるある」。別に経験がなくても共感できそうな「あるある」。日本一周の「あるある」早く言いたい。導入文をすっ飛ばして早く言いたい。
この記事を書いた人


大場祐輔  1981年埼玉県生まれ。

大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。

2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。

旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをして食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。

同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 出版社に原稿の持ち込みを開始。

それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」←クリックするとAmazonに飛びます。 

「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」

 

 

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