徒歩日本一周の旅が終わった後、一番最初にやったこと

徒歩日本一周の旅が終わった後、一番最初にやったこと 徒歩日本一周
徒歩日本一周の旅が終わった後、一番最初にやったこと

東京ディズニーランドから出発して徒歩日本一周の旅をスタート。毎日40キロ以上の距離を歩き続ける。金がなくなれば旅先で住み込みのアルバイトを繰り返しながら、スタートから721日かけて東京ディズニーランドにゴール。

徒歩日本一周の記録は書籍にもなっていますので、ぜひ。プロレスラーの大仁田厚さんからも推薦文を頂いています。信じた道がいつか本当の道になるようにーガチで徒歩日本一周721日の旅ー』彩雲出版

 

 

徒歩日本一周の旅が終わり、約2年ぶりに地元に帰ってきた。

 

実家の自分の部屋に入ると、ホコリひとつなく綺麗に整理整頓されていた。母親がマメに掃除してくれていたのだろう。

 

とりあえず携帯の充電をしようと思ったら、コンセントの差し込み口がどこにあったか忘れていた。

 

たった2年、部屋を空けていただけで、どこに何をしまっていたかも覚えていない状態。

 

「あれはどこにしまってたっけ?」と探せば見つからず、たったの10分で整理整頓されていた部屋は泥棒が入ったかのように荒れた。

 

久しぶりに自分の部屋に戻ってきて「懐かしい」よりも「物が多すぎる」と思う気持ちの方が強かった。

 

というのも、この2年間、リュックひとつで生活してきたからだ。

 

歩いて旅をするということは、荷物を自力で運ばなくてはならない。

 

旅をしていた時、毎日40キロ以上の距離を歩くために荷物を極限まで減らしていた。

 

「1gでも軽く、1ミリでも収納が良いもの」を選んでバックパッキングしてきた。

 

この旅のおかげで、俺は究極のミニマリストになっていた。

 

俺の部屋には俺の趣味がよく出ていた。集めたCDや本もなかなか手に入らなくて遠出して買ってきたものもあれば、いくら探しても見つからなかったものを近場で偶然発見して、即購入したものもある。

 

古本屋で見つけた100円で買った本にも影響を受けて、読みすぎてページが剥がれて買い直した本もある。

 

昔、ハマった深夜ラジオを録音したテープがダンボールの中に何十本も入っていたり、好きなアーティストのライブで買った物販のTシャツが何枚もタンスに入っていたり、他人から見たら価値がなくても俺にとっては大切なものばかりだった。

 

ところが、「これ、いらなくね?」と思う物も正直あった。

 

見た目だけでいうと、折りたたみできる腹筋台のようなもの。

 

折り畳んだとしても4畳半の部屋にはスペース的にかなり邪魔といえる大きさだった。

 

これは何かというと、簡単に言えば「身長を伸ばすマシーン」。

 

使い方は、このマシーンの上に仰向けに寝て、上半身と両足の2箇所を固定する。手元のレバーをグルグル回すと、上半身は固定されたままの状態で、固定された両足が引っ張られていく。これ以上伸ばせないという限界のところでレバーをストップ。この状態で10分耐える。

 

毎日この儀式を繰り返すことで身長がグングン伸びていくという魔法のアイテム(成長には個人差があります)。

 

俺は子供の頃から背が小さいというコンプレックスがあった。成長期に周りの友達がグングン伸びていくのに対して、俺だけものすごく地味にしか伸びなかった。

 

学生の頃、ファッション雑誌の通販のページで、この「身長伸ばすマシーン」なるものを発見。

 

売り上げ個数1万台突破!

 

使わない時は折り畳みも可!

 

体験談には身長160cmの人が180cmになったとか書いてある。

 

背が高くなって女にモテまくりみたいなことも書いてあった。

 

気になるお値段はなんと1万円。

 

3ヶ月やっても伸びなかったら全額返金保証付き。

 

今なら「そんなわけあるかい!」と思える。

 

しかし、若い時にコンプレックスにつけ込まれてしまうと、心が動きやすいのは事実。

 

このページを見た時、俺は思った。

 

「たった1万円で人生が変わるなら…」

 

「伸びなかったら返品も可能だし」

 

「これからの人生をこのマシーンに賭けてみよう」

 

すぐさま購入した。

 

家に念願のマシーンが届いた。

 

親に「何これ?」と聞かれた時は「あー、これ?腹筋台!」と答えたら普通に納得していた。

 

毎日欠かさずマシーンの上に仰向けになり、レバーをぐるぐる回した。

 

身長がグングン伸びることを信じて、これでもかってぐらいレバーをぐるぐる回した。

 

それから3ヶ月後、期待とは裏腹に身長が伸びることはなかった。

 

3ヶ月やっても伸びなかったら返品できるということだったが、レバーをぐるぐる回しすぎて壊していたし、なんならマシーンが届いて最初の組み立ての段階でプラスドライバーが合わなくてネジをなめてバカネジにしていたので、返品はすんなり諦めていた。

 

結局、マシーンを何年も折り畳んだ状態で部屋に放置した状態が続き、捨てるタイミングを完全に見失ったまま、俺は旅に出た。

 

徒歩日本一周の旅が終わった後、一番最初にやったこと。

 

ついにマシーンを断捨離した。

 

信じた道がいつか本当の道になるようにーガチで徒歩日本一周721日の旅ー』彩雲出版

 

 

この記事を書いた人


大場祐輔 1981年生まれ。

大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。

2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。

旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをしながら食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。

同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 数々の出版社に原稿を持ち込みを開始。 

それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」を出版。

「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」

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