徒歩日本一周していた時、多い時で週に一回ペースで職務質問をされてました。笑
僕の場合は、歩きで旅をしていたので、話しかけられる頻度が多かったように思います。
これから日本一周する方に経験者からのアドバイスですが、基本的には堂々と対応していれば問題ありません。
あと、身分証明書は必ず携帯しましょう。
ということで、今回は、僕が経験した印象に残った職務質問を書きたいと思います。
ちなみに僕の徒歩日本一周の記録は出版社から書籍にもなっていますので、ぜひ。『信じた道がいつか本当の道になるようにーガチで徒歩日本一周721日の旅ー』彩雲出版
家出じゃないよね?
夕方、公園のベンチに座りながら「今日はこの辺で野宿でもしようか」と考えていたところ、通りかかった警察官の方に声をかけられました。
警察「一応、念の為、職務質問してもいいですか?」
僕「ええ、大丈夫です。」
警察「単刀直入に聞くけど、家出じゃないよね?」
おそらく、大学卒業したばかりで童顔だから未成年に間違えられたというのと、大きな荷物と一緒にベンチに座って深く考えている姿が何か思いつめた表情に思われたのが原因だったのかなと思います。
最終的には、身分証明書を見せて旅のことを説明すると、納得してもらえました。
今、振り返ると、徒歩日本一周の旅を家族に反対されて押し切って、そのまま旅に出たので、ほとんど家出のようなものだったかもしれないですね 笑。
無職ってことですよね?
職務質問で、「仕事」について聞かれたことがあります。
当時、まだ日本一周の旅に出たばかりで、「無職」と答えることに若干の後ろめたさがありました。
大学卒業後、周りの友達はみんな就職していったのにも関わらず、僕の場合は「歩いて日本一周」というかなり特殊な進路。笑
仕事はしていないけれど、毎日20キロのリュックを背負って40キロ以上の距離を歩き続けるという過酷な日々。
自分なりに頑張っているけれど、はたから見れば「遊んでいる」ように思われてしまう。
それだけに「無職です」と答えることに対しての若干の抵抗と、「俺は遊んでいるわけじゃないんだ。戦っているんだ」というアピールをしたかったのだと思います。
警察「お仕事は何をされていますか?」
僕「今、歩いて日本一周をしていまして、このように20キロのリュックを背負って、毎日40キロ以上の距離をですね…」
警察「つまり、無職ってことですよね?」
僕「ええ…。まあ、そういうことになりますよね」
今、振り返ってみると、変なプライドから「無職です」と堂々と答えられなかった自分がいたような気もします。笑
外国人の方ですか?
山の近くを歩いていたら「パーン!」という銃声音のようなものが聞こえてきたことがあります。
かなり近場の銃声のように聞こえましたが、おそらく、山で狩猟でもやってんだろうと思い、特に気にすることなく歩き続けていました。
1時間ぐらい歩くと、車が渋滞していて、何やら検問をやっているようでした。
自分は歩きなので、関係ないだろうと勝手に思い込んで、そのまま検問を歩いて突破しようとしたところ、警察官の方に声をかけられました。
警察「先ほど、発砲事件がありまして、職務質問させて頂いてもよろしいですか?」
なんと、僕が聞いた銃声は、発砲事件だったようで、実はかなり近場を歩いていたようです。
「山で、首まで埋められた状態の人が撃たれたのだろうか?」(事件の想像)
「これは、事情聴取とかされるんだろうか?」(近くにいたし)
「もし犯人に顔を見られていたら、今度は俺が狙われる可能性があるかもしれない」(考えすぎ)
真っ黒に日焼けした体で帽子を深く被った状態の僕は、重い口を開きました。
とはいえ、ここ何日間も人と喋っていなかったのもあり、口を開いた瞬間、いきなり言葉に詰まってしまいました。
僕「ええ…ああ、うーん、あーっと」
警察「外国人の方ですか?」
僕「いえ、日本人です」
結局、身分証明書を見せて、今自分がやっている旅のことを話して、今日どこから歩いてきたかを説明して、終了でした。
特に「発砲音は聞こえましたか?」といった質問はされることはありませんでした。
今、振り返ると、真っ黒に日焼けした体で帽子を深く被っているうえになめらかに話せなかったのが外国人に間違えられた原因でした。「ハキハキしゃべれや」って感じですね 笑。
これは余談になりますが
日本一周中に刑事事件ごとは結構あって、少しぼやかして書きますが、殺人事件が起きていた現場付近をリアルタイムで歩いていて、その日、宿に泊まった時にテレビのニュースで後から知ったこともあります。
他にも、ラジオを聴きながら歩いていたら「犯人が〇〇地方を逃走中」という緊急ニュースが流れて、その◯◯地方というのが、僕が今まさに歩いているところで、人っこひとり通らないぐらいの田舎だったので、誰かに会ったらその人が犯人ぐらいの緊張感で歩いたこともありました。
結局、犯人はニュースの内容とは違う土地へ逃走していて、その後、警察の方が捕まえてくれたので助かりましたが。
最後に
ということで、いかがでしたか?(何が?)笑
徒歩日本一周中に受けた職務質問の話を書いてみましたが、旅が始まったばかりの頃は職務質問をたくさん受けました。
僕の場合は、アウトドア経験もないし、生まれて初めて一人旅が徒歩日本一周だったので、とにかく荷物が多くて目立ってたのも声をかけられやすかった理由の一つだったと思います。
特に旅が始まったばかりは、一人旅の勝手がわからないので(野宿の時など)、はたから見たら、挙動不審に見えていたのかもしれませんね。笑
旅慣れてくると、公園で落ちてるダンボール拾って風除けにしてテントを張ってたら、ホームレスに間違われたこともありました。逆に住みこなしてる感が出てたんでしょうね 笑
最後に警察官の方との思い出を書きます。
田舎の警察官の方は良い人が多かったです。
一度、道を間違えて、線路の向こう側の道に出たいと思った時に田舎過ぎるのか、踏切が見つからない時がありました。
電車もほとんど通らないし、柵を乗り越えて線路を渡ってしまえばいけるんだろうけど、そういうのはよくないなと思い、交番に行って「線路の向こう側に行きたいんですけど、踏切はどこですか?」と聞きにいきました。
すると、警察の方が「案内するからついてきて」というので、そのままついていったら、フツーに警察が柵をよじのぼり始めたので「いいんすか?」と聞いたら「いいの、いいの」って言うから「いーんだ」と思って、一緒に柵を乗り越えて線路を横断したのは今でも良い思い出ですねって、だめだろ、それ。笑
大場祐輔 1981年生まれ。 大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。
2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。
旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをしながら食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 数々の出版社に原稿を持ち込みを開始。
それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」を出版。
「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」