※この記事は一人旅に武器を持つことや戦うことを推奨するものではありません。
また、当サイトは、損害やトラブルに関しましては、その理由を問わず、一切の責任を負いません。
徒歩日本一周の旅に出る前、何かあった時に自分の身を守るために「一応、武器はあった方がいいのか?」と考えたことがありました。
自分の旅の経験から徒歩日本一周の旅に護身用の武器は必要かどうかを考えていきたいと思います。
すぐに思いつく護身用の武器として、スタンガンや催眠スプレーなどがあると思います。
効果は絶大だと思いますが、敵に奪われた場合、自分が喰らう可能性があります。
僕が徒歩で日本一周していた時は、20キロのリュックを背負った状態で、毎日40キロ以上の距離を歩いていました。
足だけでなく、体中が疲れきっていて痛みもあるので、何かあったとしても戦う体力は残っていませんでした。つかみ合いになった場合、簡単に武器を奪われる自信があります 笑。
結論からいうと、「武器を持つ」という行為はおすすめしません。
銃刀法違反や軽犯罪法に触れる可能性もあります。
旅をしていると、職務質問をよくされますし。笑
攻撃力の高いものを携帯してしまうと、最初は威嚇のつもりでも、結果的に自分自身が取り返しがつかなくなる場合もあります。
また、個人的には徒歩日本一周の荷物は「1グラムでも軽く、1ミリでも小さいもの」を推奨しています。なぜなら、歩き旅の場合、すべての荷物を自力で運ばなくてはならない為です。
万が一の時のために備えて武器を持ったとしても、使わなければ荷物になるだけなので、無駄になります。
そのため、歩き旅にも使用でき、なおかつ状況によっては自分の身を守る為の武器として兼用できるものがいいのではないかと思います。
僕が、徒歩日本一周をしていた時に「これだったら護身用にも使えるかな」と考えたものがありました。
それは、安全靴です。
工事現場や工場などに使われているもので、つま先を保護する為につま先に鉄芯が入っている靴のことです。
つま先が硬いので、これで蹴れば一発です。
これなら普段の靴として使えて、なおかつ護身用にもなるんじゃないかと考えたこともありました。靴ヒモをしっかり結んでおけば、簡単に奪われることもないので。
旅をしていた時、ホームセンターに安全靴を見にいったことがありましたが、買うのは見送りました。
理由は、2つあります。
一つ目は、先芯が硬すぎて「これで蹴ったら、破壊力がエグすぎてやばいんじゃないか?」と逆に不安になったからです。
二つ目に、当時、僕が見た安全靴は鋼鉄タイプで、普通の靴に比べてかなり重い靴でした。この靴を履いて毎日40キロ歩くのは厳しい。
安全靴の先芯は、鋼鉄と樹脂の2種類のタイプがあります。
最近では、軽量化された樹脂タイプが主流で、歩きやすく作られたモデルも販売されています。
軽量タイプの安全靴であれば、おすすめできるかといえば、これもおすすめできません。
なぜなら毎日40キロ歩いていて足がボロボロの状態なのに、身の危険を感じた瞬間、蹴りを繰り出せるのか?と考えたら無理ですね。そもそも足が上がらないんで。笑
安全靴は長距離を歩くことを想定して作られていないので、僕の旅には不向きでした。普通のウォーキングシューズの方が疲れにくいです。
結局、僕は徒歩日本一周の旅で、スタートからゴールまで武器は持ち歩くことは一度もありませんでした。
武器を持たない代わりに自分の中で気をつけていたことがあります。
まず、人と揉めない。自ら火種を作らないということ。
もし、恨みを買って暴力的なトラブルに発展したとしましょう。
先にも書いたように、20キロのリュックを背負った状態で、毎日40キロ以上の距離を歩いているので、戦う体力はありません。
その場はやり過ごせたとしても、こちらは歩いてしか移動できないので、すぐに発見されます。仮に逃げるにしても荷物が重いし、リュックを捨てて走るにしても、足がボロボロなので簡単に追いつかれるでしょう。
完全に弱者です。 笑
そのため、恨みを買わないことだけは徹底していました。
おそらく、徒歩日本一周の旅で、一番、身の危険の不安を感じる瞬間というのは、
「夜、野宿している時に襲われたらどうしよう?」
これだと思います。
実際、僕が旅をしていた頃も、昼間に長距離を歩いている時は、人に襲われたこともないし、何も不安に感じたことはありませんでした。
なぜなら、田舎の何もない道を歩いていると、人に出会うことがほとんどないので。
しかし、夜になると真っ暗になり、全く知らない土地で、一晩明かすことに不安がでてきます。
野宿をする際に、気をつけていたことがあります。
まず、野宿する時は、人がまったくいない場所は避けるということ。
仮に自分が襲う側で考えてみて下さい。
人がまったくいない場所は、襲いやすいです。笑
誰もいないので、助けも呼べません。
その為、ちょっと人通りがある場所、灯りがある場所、民家が近くにある場所等をあえて選んでテントを張っていました。
地元の人に「この辺は、治安は大丈夫ですか?」と聞いたこともあります。
「トラブルにあったらどうするか?」を考えるよりも先に「トラブルにあわないためにはどうするか?」を考えるべきだと思います。
もしも、トラブルになった場合、「どうやって戦うか?」よりも「どうやって身を守るか」を考えた方がいいです。
まずは逃げることを最優先にして、絶対に戦わない。
大声を出す、助けを求める、防犯ブザーがあれば鳴らす。
(最近のスマホには、防犯ブザーやSOSの機能がついています。スマホの電池切れが不安な人は、防犯ブザーを単体で持った方がいいかもしれません)
それでも、どう考えても相手に一撃を食らわせない限り、自分の命が危ない、と判断した場合はどうするか?
スマホの角でおもいっきりぶん殴りましょう(フックぎみに)。
自己責任でお願いします。責任は一切負いません。
携帯電話であれば、ほとんどの人が持っていてすぐ取り出せる状態にあると思います。
ですが、個人的には戦うのは超おすすめしません。
自分の攻撃が結果的に火に油を注ぐ可能性がありますし、そもそも敵が一人とも限りませんし、どんなことをされるかも分かりません。
格闘技経験のない素人がどんなに戦いを想定して準備していたとしても、思った通りにいくことはないでしょう。
万が一、暴力的に攻撃された場合は、自分の持ち物を最大限に使って防御することだけを考えた方がいいです。
例えば、リュックや寝袋を盾にして、致命傷を避けるなど。
ちなみに僕は、約2年間かけて東京ディズニーランドから歩いて日本一周をしましたが、暴力を受けたことは一度もありませんでした。
とはいえ、命の危険を感じたことはあります。
ひとつは、熊に出会った時です。
熊相手に、さすがに戦おうとは思いません。笑。
ふたつめは、トンネルの中を歩いていて、車にひかれそうになったことが何度かあります。
日本一周している人のトンネル内の交通事故は多いです。特に自転車。
僕の場合は歩きなので、歩道があれば大丈夫でしたが、歩道がないトンネルは本当に命がけでした。
護身用の武器を持つことよりも、熊対策とトンネル対策を考えることを超おすすめします。
大場祐輔 1981年生まれ。 大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。
2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。
旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをしながら食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 数々の出版社に原稿を持ち込む。
それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」を出版。
「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」