日本一周「自分と向き合う時間」ほどほどにした方がいいよ

日本一周「自分と向き合う時間」ほどほどにした方がいいよ 日本一周

徒歩日本一周をしていた頃、「歩いている時、何を考えているんですか?」とよく聞かれた。

この質問をされると、正直、困った。

なぜかというと、「何も考えていない時間」の方が多かったからだ。

とはいえ、旅をしていた二年間、まったく何も考えていなかったわけではない。

長期の一人旅をしていると「自分と向き合う時間」が増える。

東京ディズニーランドから徒歩日本一周の旅をスタートさせたばかりの頃は、いろいろなことを考えながら歩いた。

それこそ、ものすごく意味のないどうでもいいことから、被害妄想が膨らみすぎて、精神的に参ってどん底に落ちるぐらいまで。

北海道でお金がなくなって、住み込みでアルバイトをしていた時、「自分と向き合う時間」よりも「誰かと過ごす時間」の方が多くなった。

それまで重くのしかかっていた影のようなものが消えて、精神的に楽になったのを今でも覚えている。

それがきっかけで、むやみやたらと考えることを辞めて「何も考えない時間」を増やしたら、前向きな気持ちで旅ができるようになった。

日本一周中に「自分と向き合う時間」は大切だけれど、やり過ぎるといつか疲れ果ててしまう時がくる。

だから、「ほどほどにした方がいいよ」という内容で今回は書いていきます。

自分と向き合う時間とは?

自分と向き合う時間を分かりやすく説明すると、自分と対話をする時間である。

では、自分との対話とは?

俗に言う「もう一人の俺」との対話である。

ここで言う「もう一人の俺」とは一体なんぞや?と言うと

自分自身を冷静に分析できていて、なおかつ客観的に見ることができる、もう一人の自分のことだ。

仮に「もう一人の俺」が、今の自分とまったく同じ考え方しかできない場合、そもそも対話にならない。

それどころか、ネガティブな内容であるほど、被害妄想が膨らんで収拾がつかなくなってしまい、まるで海のどん底に沈み込んでいくような精神状態に陥ってしまう可能性が高い。

ただでさえ、日本一周するのは大変なのに「自分探しの旅」や「悟りを開く」など、心の課題を設けて旅をしてしまう人は、陥りやすいかもしれない。

一人旅はどうしても深く考え込みがちだ。「自己嫌悪の時間」を「自分と向き合う時間」と捉えてしまうと、ただ苦しいだけで潰れてしまう。

「自己嫌悪」の時間を過ごしているぐらいなら、日本一周中に心の課題なんか設けずに今しかできないことを存分に楽しんだ方が自分の成長につながると思う。

日本一周で、旅の経験を積むことで自己分析に必要な情報を増やせるし、旅先で色々な人に出会えば、自分のことを客観視しやすくなる。

自分の中に何か変化が起きた時に「過去の自分」「未来の自分」の誰かがもう一人の俺」となって「今の自分」と対話してあげればいい。

それが、自分と向き合う時間になる。

徒歩日本一周をしていた時、自己嫌悪になって挫折しそうになる度に、「過去の自分」や「未来の自分」とよく対話をした。

自分にとって「もう一人の俺」は唯一の味方だった。

日本一周しながら、一人で自問自答を繰り返していて、自己嫌悪に陥りながら旅をするのは、個人的には時間の無駄だと思う。

ある程度、悩んで答えが出なければ、放置してしまった方がいい。

悩んでいるときは、早く答えが欲しいと思うけれど、実際は答えなんか出なくても解決できる時がある。

最終的に悩まなくなれば終わるからだ。

本当は答えが出ていたとしても、今の自分には、まだ受け入れることができないだけかもしれないし、いつか時間差で受け入れられる日が来ることもある。

一人旅には、余白があった方がいい。

「自分と向き合う時間」は、ほどほどに。

この記事を書いた人


大場祐輔 1981年生まれ。

大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。

2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。

旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをしながら食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。

同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 数々の出版社に原稿を持ち込む。 

それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」を出版。

「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」

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