僕が徒歩日本一周していたとき、一番きつかった季節は夏です。
真夏の炎天下に歩いている時なんかは、毎日のように「今日こそ本気でぶっ倒れるんじゃないか」と思いながら歩いていました。
そんな自分の経験から、これから徒歩日本一周する人たちが、ぶっ倒れないために、炎天下ウォーキングのコツを伝授します。
大場祐輔 1981年埼玉県生まれ。 大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。
2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。
旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをしながら食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 数々の出版社に原稿の持ち込みを開始。
それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」を出版。
「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」
炎天下ウォーキング【服装】
帽子
炎天下では、帽子は必須です。帽子は頭皮を守るだけでなく、熱中症対策にもなります。
自分の経験上、帽子を選ぶポイントが3つあります。
サングラス
お金に余裕があれば、サングラスがあると便利です。
色の濃すぎるサングラスをかけると、今が昼なのか夜なのか分からなくなる時があります(笑)。
値段もピンからキリまであると思いますが、ある程度の眩しさや紫外線を低減できるものであれば、個人的には、かけやすさが重要かなと思います。
あとは、自分に似合うかどうかですかね(笑)。
真夏は、とにかく日差しがまぶしくて、疲れやストレスになることがあるので、安くてもいいので、一個持っていると便利です。
長袖長ズボン
炎天下にタンクトップ一枚で歩いていて、肩が日焼けでボロボロになったことがあります。
どのぐらいボロボロかを説明すると、「肩に刺青を入れて無理やり消すとこうなるよ」みたいな見た目になりました(笑)。
沖縄の人にも「何やっちゃったの?」と心配されるぐらいでした。
なので、炎天下でタンクトップは危険です(笑)。
同じぐらい危険なのは、半ズボン。
炎天下に半ズボンで長距離を歩いていると、ふくらはぎが日焼けを通り越して火傷レベルになります。
おそらく日差しがアスファルトに反射して、ふくらはぎをやられたのではないかと思います。
そのため、炎天下のウォーキングには、長袖長ズボンをお勧めします。
「暑くて着てらんねーよ」と思うかもしれませんが、長時間、地肌に日差しを浴びてしまうと、紫外線自体が体にも悪いですが、体が疲れやすくなり、体調不良にも繋がります。
長袖長ズボンを選ぶなら、UVカット入りで吸水速乾性のある素材のものがおすすめです。
一時期、日焼け止めのクリームを貰って塗っていたことがありましたが、汗ですぐに流れてしまい、あまり意味がなかったです。
マメに塗り直せばいいんでしょうけど、ガサツな性格なのもあって続けられませんでした(笑)。
炎天下ウォーキング【歩き方】
日陰を選んで歩く
可能な限り、日蔭を選んで歩きましょう。
日差しがきついところを歩くよりも全然楽です。
とはいえ、日陰に入るまでの距離が遠い場合は、効率を考えて諦めましょう(笑)。
早朝から歩いて距離を稼ぐ
日中は本当に暑いです。
特に10時から16時の間は紫外線も暑さもピークだと考えた方がいいです。
とはいえ、この時間帯を避けて歩くわけにはいかないので、早起きして涼しい時間帯に距離を稼いでおくと後半が楽です。
朝6時ぐらいから歩き始めると、午前中に距離を稼ぐことができるので、おすすめです。
休憩の回数を増やす
ポイントは、歩き始めから休憩に入るまでの中間地点で、一度、休憩を挟むような感覚でいるといいと思います。
疲れてから休憩をとろうとすると、座って休むところがなかった場合、歩き続けなくてはいけなくなります。
余裕があるうちに、早めに休憩を入れましょう。
炎天下ウォーキング【体調管理】
喉が渇く前に水分を摂る
炎天下に歩くときは、マメに水分補給をしましょう。
喉が渇いた時に一気に飲もうとするよりも、喉が乾く前にちょっとずつ飲む感覚です。
僕の経験上ですが、炎天下を歩いていて、喉が渇いたので持参している水を飲もうとしたら、暑さでお湯になっていて飲む気を無くしたことがあります(笑)。
特に真夏の暑い日は、刺激の強い飲み物で、体を生き返らせたくなります。
つい、よく冷えた炭酸系の飲み物を一気飲みしたくなりますが、お腹を壊す恐れがあるので気をつけましょう。
冷たい飲み物を飲むときは、牛乳を飲むようによく噛んで飲むことをおすすめします(笑)。
食費の節約しすぎに注意する
食費を節約しすぎると体が電池切れを起こします。
特に旅をしていると、野菜の摂取をおろそかにしがちです。
真夏こそ、栄養をしっかり摂るべきです。
暑さで食欲がなくても、しっかり食べましょう。
そんな時は、ウィーダーインゼリーがおすすめです。
僕の経験上ですが、真夏に体調不良で何度もぶっ倒れそうになったことがありますが、ウィーダーインゼリーを飲んだ日は、不思議と体調不良にはなりませんでした。
それだけ、栄養が足りていなかったのかもしれません。
節約も大事ですが、健康にはお金をかけましょう。
体を清潔にする
野宿が続くと、お風呂に入れない日が続きますが、真夏こそ清潔にする必要があります。
ここで問題です。
上半身から大量に流れた汗は、最終的にどこに溜まっていくと思いますか?
答えは、股ぐらです。
不衛生になってくることにより、かぶれてしまい、歩くのが辛い時があります。「経験者は語る」です(笑)。
他にも汗疹などができて痒くなることもあります。
野宿が続いても、どこかでシャワーを浴びたり、温泉施設を利用して、全身をくまなく洗って体を清潔に保つことをおすすめします。
汗をかいたら着替える(裏技あり)
真夏は汗を大量にかきます。
炎天下で長時間歩いていたら、なおさらです。
一番、汗をかくのは背中の部分。リュックと密着しているので汗でびしょびしょになり、だんだん背中が寒くなってきて鼻水が出始めます(笑)。
こうなる前にマメに着替えることをおすすめします。
とはいえ、歩き旅で軽量化された荷物で、Tシャツを何枚も持ち歩くのは厳しいです。僕は全部で3枚しか持っていませんでした。
ここで、タオルを使うことによって、1枚のTシャツを2〜3枚分の使用量にして着る裏技を伝授します。
一番汗をかく場所はリュックを背負っている背中の部分です。つまり、背中の汗をどう対策するかということになります。
①Tシャツと背中(地肌)の間にタオルを一枚はさみます。
すると、背中(地肌)の汗をタオルが吸ってくれます。
②タオルが汗で濡れてきて、限界を感じてきたところでタオルを抜きます。
この時点で、Tシャツの背中の部分の濡れ具合は、もう少し頑張れます。その間、タオルを乾かしながら歩きます。
しばらくすると、Tシャツの背中の部分が汗でびしょびしょになると思います。
③ここで、Tシャツの前と後ろをひっくり返して着ます。また同じように先ほどの渇いたタオルを背中(地肌)とTシャツの間に入れます。
④タオルが汗で濡れてきて、限界を感じたところで、タオルを抜きます。この時点で、Tシャツの背中の濡れ具合は、もう少し頑張れます。
このやり方をすることによって、通常ならリュックを背負っているTシャツの背中の部分が汗でびしょびしょになって、着替え時になるはずが、タオルを使うことで、1枚のTシャツの使用量を2〜3倍に増やすことが可能です。
難点が2つあります。
一つ目は、Tシャツの前と後ろをひっくり返した時に、「あの人、Tシャツの前と後ろ間違えて着てるよ」と思われてしまうところです。
二つ目として、Tシャツの前後をひっくり返してきた時に汗で濡れた部分が、体の前側に来るので、胸から腹にかけてちょっと冷たくて寒くなるところです。
僕の場合は、もう一枚のタオルを体の前側(地肌)と濡れたTシャツの間にはさむことで対策していました。
って、なんの裏技だよ、これ。
(追記 2024.8.25)
僕が徒歩日本一周していたのが20年前。
まだ携帯がガラケーの時代でした。
今では携帯もスマホになったおかげで、カメラの画質も上がり、宿の予約もネットでできるようになったり、ソロキャンプの影響でアウトドアグッズもかなり進化しました。
色々なものが進化して便利になったおかげで、日本一周のハードルもだいぶ下がって、やりやすくなったのかなと感じる時もあります。
ここ数年、真夏は年々暑くなってきています。熱中症対策で学校で体育の授業のプールを中止にするレベルです。
さすがに僕が旅をしていた時でもここまで暑くはなかった。
日本一周するレベルが逆に上がってんじゃね?
と素直にビビります。
自分がやっていたから分かるんですけど、当時、気温30度超えで歩いていても、日差しのきつい場所やアスファルトの反射とかもあるから、体感温度的には40度以上とかになるんですね。
精神的に頑張れても体が追いついてこないことが何度もありました。
ここ最近の暑さは、災害級。
状況によっては、台風や大雨と同じレベルで避難を考えることも必要だと思います。
根性を出して頑張るというよりも、体をいかにして守るかを最優先して欲しいです。