自分の日本一周のリアルを薄めてはならない

自分の日本一周のリアルを薄めてはならない 日本一周

 

徒歩日本一周の本を出版直後、何かのトークイベントに出演した時に「感動的なエピソードとかありますか?」という質問があった。

 

それに対して「うーん、あんまりないっすね」と答えたところ、「普通、あるでしょ!」と突っ込まれたことがあった。

 

ないわけじゃないんだけど、ハードルが高すぎるというか、映画やドラマのような他人を感動させるようなエピソードはない。

 

これに関しては以前書いた記事を参考にしてもらえたらと思います。

 

今回、取り上げたいのは「普通、あるでしょ」の「普通」について。

 

徒歩日本一周経験者の「普通」と、経験したことがない人の「普通」は一緒ではない。

 

そもそも経験したことがないのだから「だいたい、こんなイメージ」でしかない。

 

ほとんど先入観でしかないと思う。

 

日本一周の旅をしながらSNSなどでリアルタイムで発信している人がいる。

 

俺も旅しているときにネットで発信していたけれど「日本一周はこうあるべきだ」と叩いてくるほとんどの人たちが日本一周の経験のない人たちだった。

 

日本一周に対する考え方は人それぞれでいいと思う。

 

経験のない人は意見するなということではないし、経験のある人の意見がすべて正しいわけでもない。

 

もちろん俺の意見も含めて

 

なぜなら、日本一周同士でも人それぞれで、一人一人の「普通」は違うのだ。

 

というのも、俺が徒歩日本一周の旅をしていた時、ゲストハウスなどで同じ日本一周中の人と出会うと、意外と話がかみ合わなかったことがあった。

 

例えると、好きな音楽のジャンルは同じでも、聴いているアーティストは全然違う感じだ。

 

日本一周する人が10人いれば、10通りの日本一周がある。

 

移動手段や旅のスタイルも違ければ、旅に出た動機もそれぞれ違う。性格が違うのも当然だし、旅はその人の人柄がそのまま出る。

 

日本一周した人が本を出せば、ジャンルは同じでも内容に関しては全員違うストーリーになる。

 

 

俺が徒歩日本一周の旅をしていた頃、自転車やバイクで日本一周している人たちよりも「俺の方がすげーだろ」感をあからさまに持っていたと思う。若かったし。

 

もともと、本を出すつもりだったから、これだけすごいことをやったら簡単に出版できるだろうと思い込んでいた。

 

旅が終わった後、旅の記録を本にするために出版社を探し始め、実際に出版が決まるまでに5年かかった。

 

その経験から感じたことは、日本一周はオリジナリティが必要で、いかに純度の高い自分のストーリーを作れるかが重要ということだった。

 

 

自分が主人公なのだから、自分らしく旅をすることが筋道だと思う。

 

それが、その人にとっての日本一周のリアルなのだから。

 

何が言いたいかというと、誰かの言葉に支配されたり、誰かのこだわりに振り回される必要はないよということ。

 

そもそも、日本一周は誰にやらされるものでもなく、すべて自分で決めてやることだから。

 

仮に自分の発言や行動が他人から見て矛盾していたり、期待値を下げることがあったとしても、自分らしく堂々と旅をするべきだと思う。

 

他人は他人。自分は自分

 

自分の日本一周のリアルを薄めてはならない。

 

それは、日本一周の旅が終わった後も継続するべきだと思う。

 

徒歩日本一周の旅を終えてから、こんなことを聞かれることがあるが、俺はいつもこう答えている。

 

「次は歩いて世界一周ですか?」

 

「いや、しないっすよ。」

 

「それはなぜですか?」

 

「じゃあ逆に聞きますけど、例えば、富士山に登ったら次はエベレストだ!ってなります?」

 

俺の場合、日本一周の質問を受けると、基本的にしらけさせることの方が多いのかもしれない。笑

この記事を書いた人


大場祐輔 1981年生まれ。

大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。

2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。

旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをしながら食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。

同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 数々の出版社に原稿を持ち込みを開始。 

それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」を出版。

「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」

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