いつか日本一周してみたい。
だけど、一人旅やアウトドアの経験がまったくない。
野宿は、旅費を節約するために必要だと思うけれど、
知らない土地で野宿をする勇気が出ない。
そんな不安を解消します。
僕、大場祐輔は、東京ディズニーランドから721日かけて歩いて日本を一周した経験があります。著書はこちら「信じた道がいつか本当の道になるようにーガチで徒歩日本一周721日の旅」彩雲出版
旅に出る前の僕は、一人旅の経験やアウトドアの経験もなく、完全にドシロウトの状態でした。
最初の頃は、野宿をすることにたくさんの不安がありました。
周りの目が気になる。バカにされそう。
私有地ではないか?違法ではないか?
誰かに襲われたりしないか?
実際、慣れるまでに時間はかかりましたが、意外となんとかなるものです。
野宿に対するハードルを少しでも下げられたら幸いです。
野宿をする勇気とは
一人旅で野宿をする勇気はどんなものか?
極端にいうと、あなたが今住んでいる自宅から一番近くにある公園で、たった一人でテントを張って一晩過ごす勇気があるか?これがひとつの目安になります。
結構、ハードル高いですか?(笑)。
ご近所の目が気になったり、いたずらされるんじゃないかとか不安になりますよね。
誰か一緒に野宿してくれる人がいれば、心強いと思いますが。
日本一周は、野宿する場所を自分で選ぶことができます。
いくつか候補を見つけたら、そこからさらに絞っていきましょう。
「なんか嫌だな」と思ったら、野宿しなくてもOK。
「ここだったら野宿してもいいかな」と思える場所があったら、ハードルは低くなりますよね。
野宿に慣れるために段階を踏もう。
キャンプ場から経験してみる
野宿をする時、ここは公共の土地か私有地かという問題があります。
「テントを張るのに許可は必要?」
マジメな人ほど悩んでしまうと思います。
そんな時はキャンプ場を利用しましょう。
受付さえすれば、テントを張ることに何も問題はありません(笑)
宿に泊まるよりも安いですし、北海道には無料キャンプ場もあります。
長期の旅になる場合、シーズンオフの期間中はやっていないところも多いので情報取集は必要です。
ネットの情報だけを鵜呑みにせず、事前に観光案内所などで確認をとるといいでしょう。
道の駅で野宿を経験してみる
道の駅は、車中泊をしている人が非常に多いです。
自分と同じような旅をしている人たちがたくさんいます。
トイレも24時間使えるところがほとんどです。最近では、温泉や宿泊施設、キャンプ場などが併設してあるところも増えています。まさに旅人のための駅です。普通の公園や空き地に比べて、野宿しやすい環境だと思うので、ハードルは低い思います。
ただし、最低限のルールやマナーは絶対必要です。道の駅は無料キャンプ場ではありません。
どこで野宿をするにしても、ここで野宿をさせてもらっているという意識は必要です。
野宿をしている旅人を見つけたら一緒にテントを張らせてもらう
知らない土地で、たった一人で野宿するのって不安ですよね。
自分以外にも野宿している人がいれば、安心です。
旅をしていると、野宿をしている旅人を見かけることがあります。
「少し離れたところにテントを張ってもいいですか?」と聞けば、断る人はまずいないと思います。
この時「少し離れたところ」というのがポイントです。
「隣にテントを張ってもいいですか?」という言い方をしてしまうと、人によっては嫌がられるかもしれないし、逆に歓迎されすぎて、早く寝たいのに長い話に付き合わされる可能性もあります(笑)。
旅人同士で出会うとお互いの旅のことや情報交換などで、つい話が弾んでしまうこともあります。本人達にその気がなくても、近所の人たちに「騒いでいる」と思われてしまうことがあります。
一人で野宿している時も同じです。「一人で騒ぐことってある?」と思うかもしれませんが、寂しくなって久しぶりに友達と電話で話している時など、楽しくて、つい声が大きくなってしまうことがあります。
夜は声が響くので気をつけましょう。
バス停を利用する
東北や北海道などの雪が多い土地になると、バス停が小屋のようになっているところがあります。
場所によっては、小さめのログハウスのようになっていて、広さも十分なところもあり、雨や風はしのげます。中から鍵もかかるので、防犯性もあります。
あくまでバス停なのでトイレや水道はありませんが、野宿初心者からするとテントを張る必要もないので、ハードルはかなり下がると思います。
僕が北海道で旅をしていた時はシーズン中で旅人も多かったので、夕方になるとバス停の争奪戦が起こりました(笑)。
まだバスの時間があるのに鍵を閉めて使っている旅人もいました。最低限のマナーとして、バスの運行時間帯は避けるべきです。
小さな村のバス停には、村の人の私物、例えば、名前の書いてある置き傘がある場合もあります。
特にお年寄りが多い土地の場合、バス停の鍵を閉められてしまうことによって、中で座って待つこともできなければ、雨の日に傘を取り出すこともできません。地元の人に迷惑をかけないように最善の注意を払いましょう。
バス停の中には、ホウキやチリトリなどの掃除用具があるので、泊めてもらったお礼として出発する前に掃除をするといいと思います。旅人の悪いイメージをつけないようにすることも大切です。
交番の近くにテントを張らせてもらう
僕が歩いて日本を一周していた時、一度だけ交番の横にテントを張らせてもらったことがあります。
その日はバス停で野宿をしようと考えていて、バスの運行時間が終わるまで時間を潰して戻ってきたら、他の旅人に先にバス停を使われてしまったことがありました(笑)。
僕の場合、歩いて旅をしていたので、体力的にも徒歩で移動できる距離には限界がありました。他に宿泊施設や野宿できそうな場所もなく、途方にくれていたところ、交番の横にギリギリ一人用のテントを張れるスペースがあることに気がつきました。
交番のお巡りさんにお願いしたところ「自己責任で」ということで、テントを張らせて頂いたことがあります。
さすがに交番の隣にテントを張ると、物を盗まれたり、誰かに攻撃される心配もないので、「ここは最強だ!」と思った記憶があります(笑)。
野宿で、人に攻撃されるんじゃないかと不安に感じる人は、交番の近くにテントを張るというのも選択肢の一つとして考えてもいいかもしれません。
野宿する覚悟を決めよう
「ここだったら野宿してもいいな」と思える場所があれば一番良いですが、実際は「可もなく不可もなく」みたいな場所が多いと思います。
どうしようかと悩んだら、とりあえずテントを張ってみましょう。
「なんかあったらいつでも撤収してやる」という気持ちで構いません。
試しにテントを張ってみるという気持ちが大切です。
これが意外と効果があります。
テントを張り終えると、意外にも腹が据わります。
「面倒臭いからここでいっか」と開き直れます(笑)。
不思議なことに自分のテントを張ると、自分の家のような存在に感じます。「ここは俺の家だ」と思えたら、もう大丈夫です(笑)。
静かに夜を過ごせる場所があれば理想的ですが、実際は、車の音、人の声、波の音、野生動物の気配が気になって、何度も目が覚めたり、疲れているのに眠れない時もあります。
そんな時は寝れなくてもいいから、体をしっかり休めましょう。目をつむっているだけでも疲れはとれます。
野宿に慣れるまでは、知らない土地で夜を過ごすのが怖いと感じるかもしれません。
夜は永遠ではありません。数時間で終わります。
夜が明けたらすぐに出発をしましょう。寝不足の時は、場所を変えて早めに休んでもいいかもしれません。
まとめ
一人で野宿をすることが不安なら→他の旅人と一緒にテントを張らせてもらう。
人に攻撃されることが不安なら→交番の近くにテントを張らせてもらう。
野宿をする覚悟が決まらないなら→悩んだら、とりあえず試しにテントを張ってみる。「なんかあったらいつでも撤収してやる」という気持ちで。テントを張り終えると意外にも腹が据わる。
最後に
僕が歩いて日本一周をしている時に、自転車で日本一周をしている女の子がいました。
剣道の有段者なのか、木刀を持って旅をしていました(笑)。
万が一の時に、男と木刀で戦えるぐらいの女の子なら頼もしいですが、普通の女の子だったら野宿に不安を感じる人も多いだろうなと思います。
ネットで「日本一周 野宿」で検索すると、実際に野宿した場所の写真、野宿に最適なポイントの選び方、野宿に必要な装備などが、たくさん出てきます。
いかにも野宿に関して100戦錬磨の日焼けした男が書いていそうですよね(笑)。それらはどれも素晴らしい情報量で、非常にためになる内容でした。
しかし、知識や情報よりも最終的に一番必要なのは、本人の野宿をする勇気です。
野宿に対するハードルを下げて、少しずつ慣れていくことも大切だと思います。
一人旅やアウトドアの経験がなくても「いつか日本一周したい」と思っている人たち、今まさに日本一周をしているけれど、なかなか野宿する勇気が出にくい人たちにとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
僕の徒歩日本一周の記録は彩雲出版から書籍化されています。帯の推薦文はプロレスラーの大仁田厚さん。読んで頂けると東京ディズニーランドから721日かけて歩いて日本一周した甲斐があります 笑。
大場祐輔 1981年埼玉県生まれ。
大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。
2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。
旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをして食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。
同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 出版社に原稿の持ち込みを開始。
それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」← クリックするとAmazonに飛びます
。「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」