僕が徒歩日本一周していた時に
「誰かと一緒に日本一周しようと思わなかった?」
と聞かれたことがありました。
そもそも、僕の中で誰かと一緒に日本一周するという発想がなかったので、考えたこともありませんでした。
実際に旅に出て、一人で野宿する時に不安になったり、地元の人に話しかける時に人見知りスイッチが発動したこともあり、「誰かいれば心強いのになぁ」と感じたこともありました。
旅が終わった今、改めて考えてみます。
徒歩日本一周するなら、一人旅と二人旅、どっちがいいんだろう?
二人旅は共有ができるが、一人旅は孤独である
二人旅のメリットといえば、共有できることだと思います。
同じことで笑ったり、愚痴ったりできる相手がいるというのは、良いですよね。
僕のように一人旅の場合、共有できる相手がいないので、一人でツボに入って爆笑するということはまずないですね。せいぜい、「クスッ」で終了ですね(笑)。
愚痴れる相手もいないので、深く考え込み過ぎてしまうと、ネガティブ思考になってしまうので、切り替えが必要です。
旅に出る前の僕は、ため息をつくことが癖になっていた時期がありましたが、徒歩日本一周中にまったくつかなくなりました。
切り替える力はだいぶついたと思います。
日本一周していると、移動時間が1日の大半を占めることになるので、一人旅の場合、誰とも出会わず、話さない日が続くことも普通にあります。
「徒歩日本一周」というと、毎日、人間味の溢れる生活を過ごしているように見えるかもしれませんが、誰とも話さずに黙々と歩くだけの日々を繰り返していると「もしかして俺は今、ロボットと同じじゃないか?」と考えたことはありました(笑)
その分、旅先で地元の人と仲良くなって話をするのは楽しかったですし、人との出会いの大切さを学びました。
二人旅はペースが合わないこともあるが、一人旅は自分のペースで良い。
日本一周の移動手段を自力(徒歩や自転車)で移動する場合、二人旅ではペースが合わないことがあります。
バイクや車での移動とは違って、お互いの体力差の問題があるので、同じスピードを保つことは逆に疲れます。
二人旅の場合、いろいろなことを一緒に共有できるメリットがある反面、お互いの考えが合わないと、喧嘩が起きる場合もあります。
例えば、「今日は疲れたからホテルに泊まりたい」「いや、節約を考えて野宿だろ」と意見が割れることもあるでしょう。
24時間一緒に過ごしていると、些細な食い違いが蓄積して、ストレスを感じる時もあるので、合流地点を決めて、別行動もありかと思います。
家族や友達、学校や会社でも、さすがに24時間一緒に過ごし続けるということはなかなかないことなので、適度な距離感が保つことが必要です。
その点、一人旅の場合は、自分のペース配分で好きな時に休んだり、すべて自分で決めることができるので、誰にも縛られることはありません。ひたすら自由です(笑)。
やりとげた時の達成感の違いは?
長い歩き旅を終え、ゴールしたとき。
二人旅の場合、やりとげた時の達成感を共有できます。お互いの絆も深まるでしょう。
一人旅の場合は、手柄はすべて自分のものになります(笑)。
もちろん、支えてくれた人たちや応援してくれた人たちには感謝しかありませんが、自分の頭で考えて決めて、自分の力で行動してやりとげたという意味では達成感は独り占めです。
「徒歩日本一周をするなら一人旅と二人旅のどちらが良いか?」
個人的には、一人旅ですね。
そもそもが「俺と一緒に徒歩日本一周しない?」と誘ったところで、誰がついてくるんだって話ですが(笑)。
大場祐輔 1981年生まれ。 大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。
2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。
旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをしながら食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 数々の出版社に原稿を持ち込む。
それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」を出版。
「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」