日本一周の一般的な移動手段として、自転車、バイク、車などがある中で、もっとも少数派である徒歩。
徒歩日本一周を経験した人達の間で、まことしやかに伝えられる都市伝説がある。
旅が終わって日常生活に戻ってから、旅に出る前に履いていた靴がなぜかきつく感じて履けなくなる。
「あれ?足がデカくなったかも?」
その名も「歩いて日本一周すると足がデカくなる説」。
今回はこの説について、徒歩日本一周経験者であるこの俺が体験談を交えて真実を解説していく。
ちなみに彩雲出版から徒歩日本一周の旅行記を出版しています。プロレスラーの大仁田厚さんからも推薦文を頂いていますので、良ければチェックしてみてください。
『信じた道がいつか本当の道になるようにーガチで徒歩日本一周721日の旅ー』彩雲出版
結論から言ってしまうと、「歩いて日本一周すると足がデカくなるのか?」と問われれば、答えはNO。
足が巨大化するということは基本的にありえない。
では、なぜ歩いて日本一周した後、旅に出る前に履いていた靴がきつく感じて履けなくなるのか?
①大きいサイズの靴に慣れてしまった(体感的な理由)
俺が歩いて日本一周していた時、毎日40〜50キロの距離を歩いていた。それだけの距離を歩くわけだから、靴がすぐに寿命を迎える。
いざ新しい靴に買い換えようとすると、今まで選んでいた靴のサイズ(26.5cm)が履けなくなることがあった。
理由は、足のダメージ。
歩いて日本一周していると、基本的に寝ている時以外は足が痛い。笑
靴屋に行って、マイサイズの26.5cmの靴を試し履きしても、痛くて履けない。
なぜなら足が普通の状態じゃないから。
本来ならちょうど良いフィット感のはずが、足が敏感になっているので、靴が足に触れているだけで痛い。
マイサイズで試し履き→痛い→ワンサイズアップで試し履き→まだ痛い→さらにワンサイズアップで試し履き→少し痛い→さらにワンサイズアップで試し履き→痛いけどまだマシ。
俺「これより大きいサイズありますか?」
店員「こちらが一番大きいサイズになります」
俺「じゃあ、これで」
という流れで、マイサイズ26.5cmのはずが、最大で28cmの靴を購入したことがあった。
結局、何を履いても痛い状態だから、大きいサイズに逃げてしまう。
そのまま大きいサイズの靴に慣れてしまうと、旅が終わった後、元のサイズの靴を履こうとすると体感的にきつく感じる。
当時の足の痛みのトラウマなどもあり、精神的な不安からジャストサイズの靴が履けなくなったという理由も大きい。
ということで、足がデカくなったのではなく、大きいサイズの靴に体感的に慣れてしまったせいで、旅に出る前に履いていた靴のサイズに窮屈感を感じるようになった可能性がある。
②大きいサイズの靴を履き続けたせいで足が変形して履けなくなった(身体的理由)
自分の足に合っていない大きいサイズの靴を履いて毎日40〜50キロぐらい歩き続けると、どうなるか?
靴の中で足が前滑りするので、マメやタコ、巻き爪、靴擦れなどの足のトラブルが起きやすくなり、最悪の場合、足が変形する。
「変形する」というと大ゲサに聞こえるかもしれないが、分かりやすい例で言うと、女性がヒールの高い靴や先の尖ったパンプスを痛いのを無理して履き続けることで、外反母趾などの足のトラブルによって足の形が変わってしまうのに近い。
足に合わない靴を長期間、履き続けたことで足が変形し、旅に出る前に履いていた靴が履けなくなることもある。
ということで、足がデカくなったのではなく、自分の足に合わない靴を履き続けたせいで足が変形し、今まで履いていた靴が履けなくなった可能性がある。
「歩いて日本一周すると足がデカくなる説」まとめ
徒歩日本一周を経験した人達の間で、まことしやかに伝えられる都市伝説がある。
その名も「歩いて日本一周したら足がデカくなる説」。
この説は本当か?
と聞かれれば、嘘。巨大化することはない。
ただ、足がデカくなったと錯覚することはある。
①旅をしている時に大きいサイズに慣れてしまったから(体感的な理由)。
②大きいサイズの靴を履き続けたことによって足が変形したから(身体的な理由)。
以上の理由から、旅に出る前に履いていた靴が履けなくなることがある。
自分自身、徒歩日本一周の旅が終わった後も大きいサイズの靴を履き続けていた。
一時期はどのサイズを履いてもしっくりこなくて、サイズ迷子になったこともあった。
元のサイズに戻して履けるようになるまでに何年もかかった。
足の変形によって履けなくなった靴もある。
歩いて日本一周していた時、毎日20キロの重さのリュックを背負って、40〜50キロの距離を歩き続けていた。
それも自分の足に合わない大きいサイズの靴を履きながら。
大きいサイズの靴を履き続けると、カカトを引きずりながら歩くから靴底が減りやすくなる。
靴を買い換える金がなくて、そのまま壊れた靴を履き続けていたから、さらに足を痛めた。
おかげで、旅が終わった後も普通の人以上に足に疲れを感じたり、ちょっとしたことで足を痛めやすくなった。これが旅の代償なのかなとも思う。
今後、歩いて日本一周する予定のある人には、自分のようになってほしくないなというのが正直なところ。
足に合わない靴を履いて毎日長距離を歩き続けることは、足にトラブルを招くきっかけになってしまうから。
世の中のほとんどの人が、自称サイズで靴のサイズを選んでいる。
なぜなら健康診断で身長を測るように自分の足のサイズを測るキッカケがないから。
靴によってもサイズ感が違うのもあると思うけれど、靴によってサイズアップする必要があるのは、本当は自分の足に合っていない可能性がある。
だからこそ、自分の本当の足のサイズを知り、自分の足に合った靴を正しく履いて欲しい。
おすすめはアシックスウォーキング。
店舗に行けば、無料で足形を計測してくれる。
専門家のアドバイスを聞いておけば、自分の足に合った靴も選びやすくなり、足の負担はグッと減るはず。
徒歩日本一周経験者からのアドバイスとして、絶対に自分の足に合った靴を履き続けるべき。
大場祐輔 1981年生まれ。 大学在学中にプロレスラーの大仁田厚が「徒歩日本一周」に挑戦したことに衝撃を受ける。 卒業後すぐに「徒歩日本一周」に挑戦。
2003年、東京ディズニーランドからスタートし、毎日平均40キロの距離を歩き続ける。
旅先でお金が無くなれば、住み込みでアルバイトをしながら食いつなぎ、スタートから721日目の2005年3月22日、東京ディズニーランドにゴール。 徒歩日本一周をやり遂げた。同年11月より日本一周記の書籍化のために奔走。 数々の出版社に原稿を持ち込みを開始し、断られる。
それから5年後、出版が実現。 「信じた道がいつか本当の道になるように―ガチで徒歩日本一周721日の旅―(彩雲出版)」を出版。
「俺が断念したことを彼はやりとげた―大仁田厚さん推薦」